育児をしている人ならば「魔の二歳児」・・・そんな言葉を聞いたことがあるかと思います。
二歳前後によく見かけるその姿には親もイライラ、まさに「魔物」を相手にするかのごとく辛い時期…。
やはりこの「魔の二歳児」には手を焼いた育児経験をふまえながら、少しでも楽に乗り切る方法をまとめてみたいと思います!
なんでやってくるの!?「魔の二歳児」
大半の育児家庭に現れるという「魔の二歳児」たち。
「魔の二歳児」というとこんなに可愛い我が子がどんな恐ろしい変貌を遂げるのか、と思われるかもしれませんが、この「魔の二歳児」とはいわゆる「反抗期」と呼ばれるものです。
保育園などで「二歳児」を担当する保育士さんから聞くと、この2歳という時期はとても可愛いけれどとてもやっかい。
それもそのはず、体の部位が自分の思い通りに動くようになり、覚えたての言葉を使いこなし始め、自分が「大人と同じ人間」であるという自覚が芽生えてくるからです。
親と対等に会話をし、親と同じことをしてみたくなる、自分だって出来るもん!という気持ちの表れ、それが「反抗期」という形になって出てくるのです。
この期間、確かに親は大変なことばかり…
「いやだ」「だめ」覚えたての可愛くない言葉を使い、わざわざ危なっかしい重いものを持ってみたり、何でも自分でやりたがったり…と、、。
とにかく親が止めたいことを次から次へとしでかします。
はあ、と溜息のひとつもつきたくなりますが、実はこの「反抗期」、子どもの成長にとってはなくてはならない、大切な時期だということも親は知っていなくてはなりません。
二歳児は「魔の二歳」
三歳児は「悪魔の三歳」
四歳児は「天使の四歳」
と呼ばれることにはちゃんと訳があり、成長とともに必要な時期を過ごしていることを表現した言葉となっています。
そう、この「反抗期」は子どもたちの成長の通過点であり、なくてはならないものなのです。
ではもし反抗期がなかったら…?もっと楽なんじゃない?
保育園の子どもたちを例に挙げてみてみましょう。
もし反抗期がなかったら!?
親が困ることばかりして、何を言ってもイヤしか言わない!
そんな大変な時期ですが、もしこの時期がなかったら
子どもたちはどう育つのでしょうか?
実際に反抗期がなかった、という子どものお話をしましょう。
保育園で働いていた保育士さんが、二歳児を何年も担任していた頃のお話です。
二歳児のYくん、とても忙しいご両親のもとで育てられ、送迎はいつもおばあちゃん。
そして帰宅後も寝かしつけまでおばあちゃんがして、朝ご飯だけご両親と一緒に食べる、そんな生活をしていました。
二歳児クラスといえば「魔の二歳児」の集まりですから、周りのお友達が段々と自己主張をし始める中、彼だけはずっと平常運転、落ち着いた毎日を過ごしていました。
親御さんやおばあちゃん、はたから見ていれば、悪いことはしない、イヤイヤもせず余計なこともしゃべらない、「THE・良い子ちゃん」だったのかもしれません。
しかし二歳児クラスも後半に差し掛かった頃、複数担任のうちの一人の先生が気づきました。
「ねえ、Yくん、最近ぼーっとしてるよね」
以前から大人しく、あまり言葉も発しない、のんびりしたお子さんだったので、それも個性と受け止めていたのですが、周りが「反抗期」を迎え成長していく中で、ひとりだけ反抗期がこなかったYくんだけが目立ち始めたのです。
二歳児は反抗期を通して、
自分を表現したり、自分で出来ることを増やしていきます。
それがなかったYくんはというと、まず人前で言葉を発することが少なくなり、他のお友達が出来ていることも自分で出来ないためどんどんと集団行動にも遅れが見え始めたのです。
以前はみんなと同じスピードだったのに、周りが自分のことが自分ででき始めたので、給食を食べる時間も人一倍かかる。
午睡前にみんなが着替え→お布団、と移動するちょっとの間にも自分が何をすれば良いかが分からずにたちすくむ。
など、本人も知らないうちに成長に差が開いてしまったのです。
「Yくん、大丈夫?」
他のクラスの保育士からもそんな声がよく聞こえるようになり、そこからの成長のフォローの仕方をご両親と園、国のサポートを含め相談することになりました。
このような例は他にもありますが、つまるところ、周りから見て手のかからない
「THE・良い子ちゃん」にこういったタイプが多かったことは言うまでもありません。
ここで注意してほしいのは、
「反抗期がない」ことがいけないわけではない!、ということです。
反抗期がなくても成長に問題がない子もたくさんいます。
ただ、反抗期=大変というだけではなく、反抗期=子どもたちが一生懸命成長しようとしている証拠だということなのだと覚えておいて欲しいのです。
魔の二歳児の扱い方~おすすめ3アイディア~
親までもが一緒にイライラしてしまう「魔の二歳児」ですが、保育現場やわたしの経験から、
おすすめの乗り切り方を3つご紹介したいと思います!
子どもと一緒に美味しいものを食べる
二歳児クラスで一気に反抗期がやってきて、クラスの空気が悪くなってきたと感じたら、わたしは「食育」をするようにしていました。
おにぎり、パンにジャムをぬる、好きな果物をヨーグルトに入れて自分だけのオリジナルヨーグルトを作る、など、楽しく美味しいものを食べることで、子どもたちの笑顔が増えたのをよく覚えています。
外の空気を吸う
イライラして大きな声を出してしまいそうなとき、その大きな声を「よし!お外に行こう!」に変換しましょう。
特別な準備はいりません。
お家の周りをのんびりい一周するだけです。
そのときに、ぜひ四季を感じてみてください。
雨の時期なら長靴をはいて傘をさす、それだけでも子どもにとっては特別な思い出になるのです。
プチ家出する
我が家では上の子のときのほうが、二歳児の反抗期はひどかったです。
耳をふさいで、ひとりお手洗いに閉じこもったときもありました。
もうわたし一人じゃどうにもならない!
そう感じたときには他の誰かを頼りましょう!
実家でもいいし、ファミリーサポートのような国のベビーシッターもありです。
ほんの1時間だけでも一人で外出してみてください。
意外とあんなに離れたかった子どもに会いたくなったり、リフレッシュ出来てとてもおすすめです。
まとめ
二歳児は言葉が通じるようで通じなかったり、大人のように先を見通して行動できないこともたくさんあります。
だからこそ、その先を知っている大人はやきもきして、手を出したくなってしまうものですね。
でもそこでちょっとだけ我慢してみてください。
昨日出来なかったことが上手に出来るようになっていたり、突然うまく会話が出来るようになっていたりと、子どもたちの成長が見えることがあるかもしれません。
子どもたちが自分で出来ることが増える、ということは結果的に親も助かるという望ましい未来に繋がります。
イライラしてしまうときも、その先の成長があることを信じて乗り切っていきましょう!