わたしのフェイバリット”次室士官心得”ってなに?

雑記

かなり歳を重ねてもなお今でも未熟な私ですが、社会にでて働きにでたとき

何をどうふるまえばよいかまったく考えたこともなく相当悩みました。

その時に、ある本をきっかけにして出会い、

今日に至るまでの私の生き方の指針となっているのが、

旧日本海軍の「次室士官心得」です。

「次室士官心得」とは、海軍の少尉や中尉などの20代若手青年幹部のことです。

上には自分たちより階級の高い佐官、将官といった高級幹部がいますし、

下には階級の低いものの、軍体経験も人生経験もはるかに豊富な下士官や兵隊がいる、

という立場で、上からも下からも力量を問われる、板挟み的な立場です。

当時の私としては、職場事務所には超ベテランの先輩方ばかり、現場に行けば、

お手並み拝見、とばかりに待ち構える職人たちで、

なんとなく次室士官と立場が共通するものがあるように感じたものです。

「70年以上も前の、それも負けてしまった日本海軍の心得なんか、

参考になるのか?」と思う人もいることでしょうか。

ですが、戦争で荒廃した日本が、配線の痛手からいち早く立ち直って

繁栄を遂げることができた最大の要因は、戦争でなにもかも失ったものの、

人材だけは残っていた、ということに尽きると思います。
その意味において、「次室士官心得」は普遍的ものがあり、

現代社会でも十分に通用する部分があると感じています。

そのうちのごく一部を抜粋して紹介します。

ところどころ難解な語句もありますが、言葉の意味をのせて紹介します。

何かの参考になれば、と思います。

〇不平不満を言うな。

一生懸命やったことについて、手厳しく叱られたり、

平常からわだかまりがあったりして、

不平不満をいうと言うことが間々ありがちだが、これは慎むべきことだ。

自惚れ(うぬぼれ)があまりに強すぎるからである。

不平を言う前に、己をかえりみよ。

わが慢心(※1)増長(※2)の鼻をくじけ。叱られるうちが花だ。

叱ってくださる人もいなくなったら、もう見放されたのだ。

叱られたなら、無条件にありがたいと思って間違いない。

どうでもよいと思うなら、だれが余計な憎まれ口(※3)をたたかんや、である。

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意見があったら、陰で「ぶつぶつ」言わずに、順序を経て意見具申(※4)をなせ。

これが用いられると否は別問題。用いられなくとも、不平を言わず、

命令にはぜった服従すべきは言うまでもなし。

※1:まんしん・・・・(実際以上に)自分は偉いのだと思う心

※2:ぞうちょう・・・つけあが自分をえらいと思うこと

※3:にくまれぐち・・・人から憎まれるような言葉

※4:いけんぐしん・・・意見を目上に詳しく申し述べること

〇「業務即決」のモットーをもって、物事の処理に心がけるべし。

「明日やろう」と思っていると結局何もやらずにたくさんの仕事を残し、

仕事に追われるようになる。要するに、仕事を「リード」せよ。

〇なすべき仕事をしろ

成すべき仕事をたくさん背負いながら、いそがしい、いそがしいといわず片付ければ、

案外、容易にできるものである。

〇物事は入念にやれ。

任された仕事を「ラフ」にやるのは、その人を侮辱するものである。

ついには信用を失い、人が仕事を任せぬようになる。

また、次室士官の仕事は、「難しくてできない」というものはない。

努力してやれば、大抵のことはできる。

〇提出書類は早めに完成し提出せよ。

提出期限ぎりぎり一杯、あるいは催促されるごときは恥であり、

また間違いを生じるもとである。

〇礼儀正しく、敬礼は厳格にせよ。

次室士官は、「自分は海軍士官の最下位で、何も知らぬのである」と心得、譲る心が大切だ。

親しき仲にも礼儀を守り、上の人の顔を立てよ。

よかれあしかれ、とにかく年長者を立てよ。

〇お互い、立場を考えてやれ。

自分のいそがしい最中に、仕事のない人がくつろいでいるのを見ると、

非難したいような感情が起こるものだが、心を広くもって、

それぞれの人の立場に理解と同情を持ちことが肝要。

〇犠牲的精神を発揮せよ。

大いに縁の下の力持ちになれ。

いかがでしたか?少しでもあなたの参考になれば幸いです。

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